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むし歯について

2020/03/04
歯の豆知識

「むし歯が自然治療する!?」

それではむし歯について少し詳しく解説しましょう。
実は私もあなたも毎日むし歯になっています。但しこのむし歯はミクロな単位での出来事です。そして、さらにおそらくはこのむし歯は毎日治っています。

 

このように書くとわかりにくいんですが、食事をすると誰でもお口の中に食べ物を入れるわけですが、当の私たちが食べるのと同時に口の中の細菌にもえさをやることになります。ですから食後私たちの口の中のphは細菌の働きによってぐーんと下がって酸性になります。このとき歯の表面からカルシウム分(ミネラル)が溶け出します(このことを脱灰と呼びます)。これがミクロなむし歯が出来た状態です。

 

ところが人間の唾液にはすばらしい能力があり、この下がったphを有る程度の時間できゅーっと中性域まであげてくれると同時に脱灰して溶け出したミネラルを元の歯面に戻してくれるのです。これを唾液の緩衝能による 再石灰化 と呼びます。

 

「むし歯はこうして出来る!」
それじゃあいつもいたちごっこでむし歯になるはずはなさそうですが、実はこの再石灰化を促進する唾液の緩衝能は個人によってその強さが違います。残念ながらこれは体質ですので変えようがありません。さらに、しょっちゅう食べ物を口にしていると再石灰化によって修復される前にさらに深く脱灰されてしまい、修復が追いつかなくなる状態になります。これがむし歯の成因です。
最近ではこの能力を精一杯期待して初期のほんの浅いむし歯(co,Caries for Observationと呼びます )は、さらに悪くならないように注意してお手入れをしながら再石灰化による自然の修復を待つ様な考え方が主流になっています。ただしこの早期のむし歯とよべる段階は見極めが難しく、経験のある歯科医でも経過を見ながら観察を続けることが必要な程ですからみなさんで勝手に判断するのは危険だと思います。

 

確かに唾液の緩衝能が良い人はむし歯になりにくいといえるかもしれませんが、きちんとしたお手入れと規則正しい食習慣がよりいっそう大事な要素であることは間違い有りません、実は当院のスタッフにも緩衝能があまり良くない者がおります、しかし、お手入れと規則正しい食生活によって他の人と有意にむし歯になりやすい状態では有りません。再石灰化を最大限に活用するのが今のカリエスに対する考え方の主流ではありますが、そうとは言え、出来てしまったむし歯はきちんと治療することがなにより大切なのは言うまでもありません。

 

当院ではご希望の方には簡単な検査で緩衝能を調べることが出来ますが、検査データがどうであれきちんとしたお手入れと規則正しい食生活を送られることをおすすめいたします。